グッズ・レポート

2013年5月20日 (月)

道具のはなし(7)〜鉄筆〜

まず、鉄筆(てっぴつ)って何?
って感じですよね、今どき。
漢字で「鉄筆」と活字で記すと書体や字の大きさによってはつぶれてしまい、あまりにも読み馴染みがないので「鉛筆(えんぴつ)」と読み間違われることもしばしば。

ペーパークラフト・紙工作業界(ごとう調べ)では、折り線に沿って折りスジを入れるための道具。
柄のついたニードルの先端が良い感じにまるめられたもの。インクの出なくなったボールペンなどを指します。
折りスジを入れるのと入れないのとでは、仕上がりにダンゼン差がでます。
ボクは山折り線も谷折り線も印刷面に鉄筆を当てちゃいますが、がっつり仕上がりにこだわる方は山折り線には裏面に折りスジを入れています。(S崎さんやM武さんはがっつり派)

まずボクが愛用している
VANCO 鉄筆 No.100

鉄筆界の元祖。今のところこれに勝る使い心地の鉄筆に出会っていません。
しかしながら現在こちらは廃盤になってしまったようです。残念。シリーズにNo.50
というのもあるのですが、ちょっと細いかな。印刷面をキズつけてしまいそう。


クロバー トレーサー(手芸用鉄筆)

形状はまさにインクの出ないボールペン。
使い心地も悪くありません。次世代スタンダードの予感。
ボクは白いのを持ってます。
手芸用品を幅広く展開しているクロバーの製品なので、末永く販売し続けてくれることを祈ります。


マクソン トランサー No.3



VANCOの鉄筆が入手できなくなった時に代用としたのがこれです。もとはインレタ(インスタントレタリング)やスクリーン転写用の道具。金属ボール部分をヤスリで削って具合を整えて使用しました。反対側のヘラ部分も紙のくせづけに使えます。ただインレタ転写用ってところに一抹の不安が...。と思っていたところ、テレビでマンガ家さんの仕事場特集をやっていて、スクリーントーンがバリバリの現役で使われていたのを目撃。衝撃受けました。まだまだいけるな。


「鉄筆」のほかにも、「トレーサー」や「スタイラス」などで検索すると使えそうな道具があります。使いやすいものをみつけてみたり、加工・自作してみるのもいいですね。

ボクが小学生のころはコピー機がまだ今ほど普及しておらず、(って書くと時代を感じるなー、年とったなオレ。)小・中学校からのプリント配布物は藁半紙にガリ版刷りというのが一般的でした。そのガリ版刷りに用いられた道具が「鉄筆」なのです。しかしながら、大人になってからその存在を紙工作用で知ったボクは鉄筆を本来の用途に使ったことがありません...。あしからず。

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2013年3月12日 (火)

道具のはなし(6)〜接着剤〜

ペーパークラフトを作るときに用意するモノのなかで、何を使うのが最良なのか最も悩むかもしれません。多くの人がおススメしている接着剤としては木工用接着剤(水性)と合成ゴム系接着剤(溶剤形)の2種類があります。


水性タイプだと

コニシ ボンド木工用
 (適度な粘度・乾燥後固くなり低透明度)

セメダイン 木工用
 (適度な粘度・乾燥後固くなり低透明度)

タミヤ クラフトボンド
 (粘度ユルめ・乾燥後も弾力があり高透明度)

アルテコ 速乾アクリア
 (粘度ちょい固め・乾燥後も弾力があり高透明度)

このあたりを使ってます。

コニシ・セメダインの使用感はあまり差を感じるほどではないように思います。
使用感よりもコニシ・セメダインに関しては容器の形のほうが特徴的なので、そっちで好みが別れるかも。困ってしまうのは色が紛らわしいこと。どちらもスタンダード・速乾を白・黄色で色分けしているのですが、コニシはスタンダードが黄色、速乾が白。しかしながらセメダインはその逆。いつも一拍考えてから手に取ります。
タミヤクラフトボンド・アルテコ速乾アクリアはノズルが細いものがあったり接着乾燥後に弾力もあったりで使いやすいのですが、ちょいと高価だったりコンビニでも手に入る木工用ほど流通していないので、入手のハードル高めなのがちと残念。

臭いがあまり強くないので、ご家庭でも問題なく使えるのが水性タイプの良いところ。
適度な粘度とくっつきの良さのバランスが優秀です。
紙工作のジャンルを問わずどんな作品にもオールマイティに使えます。
ただし水性という特性上、紙が水分を吸って膨張・乾く時に収縮するために、貼り合わせ面が多少波打ってしまったり寄ってしまうという難点があります。
木工用接着剤にはスタンダードと速乾がありますが、ボクはスタンダードのほうが好みです。
(Sさんは速乾が好みだそうです。)
乾燥したときに透明度の高いタミヤクラフトボンドを動物の目に表面張力でまるく盛って乾かして、瞳をキラリとさせるテクニックを使われる方もいらっしゃいました。これいいですよ。


溶剤形タイプだと

コニシ ボンドGクリヤー

セメダイン 速乾Gクリア

などを使ってます。双方の使用感もあんまり変わらないかな。それより名前が紛らわしいです。お使いに頼まれたら2商品のうちどちらなのか絶対に迷います。流通量はダントツでコニシですね。

臭いが強いので(いわゆるシンナー臭)、換気をしたり取り扱いに気をつけましょう
ねと〜っとしてネバネバと糸を引くような特性があるので、使い方にちょっとコツがいります。(大概の人はここで挫折します。ボクもそのひとりでした。臭いしネバネバして扱いにくいし、両面塗って乾かしてから貼り合わせる行程がもどかしい。何がいいんだかよくわからなかったのです。)

溶剤形タイプの良いところは、接着の際に紙の収縮がないのでゆがみの少ない形づくりが出来ることです。
クルマや建物・工業製品などのカチッとした作品、平行・垂直をキッチリだしたいときに重宝します。
さらにペーパーセメント溶解液 ソルベントを塗布すると容易に貼りはがしができるのもポイントです。
一部分だけ修正したものを付け替えるとか、あとで分割して補修する・位置の調整をするといったことがやりやすいのです。
(S崎さんやM武さんはこっち派です。)


以前ボクは何を作るのにも木工用を愛用していたのですが、この頃は用途に合わせて接着剤を使い分けて作っています。基本は木工用スタンダードですけどね。
水のりやスティックのりは、水分量が多すぎたり固かったりしてペーパークラフト用途としては扱いにくいのであまりオススメしていません。ただ、接着剤を選ばず作れるようなお手軽で取っ付きやすい作品づくりというのもあるなぁと感じています。最終的には抜き型入りのはめ込み式ってことかな。これだと接着剤も必要ないな。
作る作品や作家さんの好みによってオススメ接着剤が違ったりするのもおもしろいですよ。作家4人で工作教室やるのに使う接着剤が3種類必要だったりするんですから

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2013年2月 8日 (金)

道具のはなし(5)〜フィットカットカーブ使ってみた〜

Fitcut_curve

新開発のベルヌーイカーブというカーブ形状の刃によって、根元から刃先まで軽くなめらかな切れ味を実現。というふれこみで、
日経トレンディの2012年ヒット商品ランキング5位となって話題に上ったPLUSのハサミです。
紙工作には必須アイテムのひとつであるハサミのことだし
その切れ味、ずっと気になっていたのですよ。

紙工作用途として使ってみた感想としては
確かに従来商品よりも刃先部分で切りやすい。
紙を切り込んでいく過程で、刃先まで神経をつかってゆっくりと丁寧に切りやすくなっていると思います。カーブ形状の刃によって力のかかり具合がうまくいっているんですね、きっと。なかなか良いですよ。ただちょっと刃の合わせがボクにはキツめかな。


そこで、手元にあった同価格帯の商品でその違いを比較
Fitcut
今回エントリーしたのは
(左)KOKUYOのエアロフィット グルーレス 定価420円
(中)PLUSのフィットカットカーブ イージーグリップ フッ素コート 定価420円
(右)PLUSのフィットカット イージーグリップ 定価420円

ボクの個人的な感想としては
全体的な切れ味の軽さでいったらエアロフィット。
刃先の切れ味でいったらフィットカットカーブ。
普段使いにはフィットカット。
もちろんロットによる個体差や使用時間・方法にもよるので、これはボクの手元にあるモノのなかでの比較です。


と、いろいろ感想を述べつつもボクがいつも使っていてオススメなのは
【DAHLE】スーパーシザーズ50007 (18cm)というハサミ。

過去記事を御参照くださーい。
18dahle_

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2011年10月19日 (水)

道具のはなし(4)〜はさみ〜

18dahle_18 DAHLE [50007]
特殊ステンレス製高級ハサミ(18cm)

(2013年2月現在のお取り扱い先⇒【DAHLE】はさみ50007(@amazon)


下の記事でも触れられていますが、ボクのペーパークラフト制作はほぼすべてこのはさみを使って行われています。裏を返せば、これが無いと仕事にならないってことになりますね
使い始めたのはかれこれ16年ほど前、アルバイトで初めてペーパークラフト制作に携わった時からになります。職場の先輩が使われていて、それを譲り受けました。
はさみとしてはちょっと大柄なのですが、手にしっくりと馴染むので紙であれば厚いモノでも薄いモノでもオールマイティーに使いこなせます。(大人の手の大きさであれば大丈夫。中高生以上だったら使えるかな?)
特筆すべきはその切れ味で、刃先までしっっっかりと切れるのがいいところ。タックをよせるのりしろなどの切り込みを入れる時、切れないはさみだと先っぽが“くにゃっ”っと曲がってしまうのですが、それがなくスパッスパッと切れてくれます。手に入れてからしばらくは、切ることだけでも楽しくなってしまうほどでした。
文房具としては高価な商品ですが、値段以上の満足感はあるかなーと思います。

ボクの個人的な好みとしては、中央で留めてあるネジをマイナスドライバーでちょっとゆるめて使うのが心地よいです。(このあたりは好みなので、締めすぎたり緩めすぎたりしないように注意してくださいね。)

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2011年1月27日 (木)

道具のはなし(3)〜ピンセット〜

.Tooのトゥイーザースペシャル(ツイーザー?)はもともと医療用に開発されたもの、というはなしから。
そういえば、初めて上野動物園で展示・工作教室をするとき(1997年だったかな?)に道具の説明をしていたら、獣医師の免許を持つ担当Hさんから「それ曲がり鉗子(カンシ)でしょ、持ってる持ってるー。」との反応、しかも工作もとっても上手。その、医療業界用語“曲がり鉗子”という言葉が印象的でした。
そっかー、切ったり貼ったり縫ったりの外科手術をされるお医者さんは手先が器用な方が多いんだなー。そりゃ診られる側もそれを望むしね。と感心したのを思い出しましたよ。

2011.8.23 追記
実はだいぶ前に本人より訂正コメントがありました
正しくは、曲がり鉗子ではなく「曲がり鑷子(せっし)」でした。
ごめんなさーい。お詫びして訂正いたしますっ

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2011年1月26日 (水)

道具のはなし(2)〜ニューツイーザースペシャル・レポート〜

アップされたピンセットの紹介記事を読んでいたら、無性にニューツイーザースペシャルが欲しくなってしまい、ポチッと買っちゃいました。
ということで、急遽ニューツイーザースペシャル・レポートです。


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外身はしっとりとした光沢のあるステンレス製。キッチリと挟む精度と、手に馴染むよう処理された端面の仕上げはさすがスペシャル。
もともと医療用に開発されたということもあり、それだけでも信頼感アップしますね〜。
ただ、しっかりとしたつくりの分ちょっと重量があるので、長い時間作業する場合に気になる人もいるかもしれません。それと、先端部分がより細〜く作られているので小さい子に持たせるのはちょっと薦めにくいかなぁ。
紙をはさむ面も小さくなるので、精密クラフト向きですな。ちびかえる作るのには重宝するね、きっと。

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2011年1月24日 (月)

道具のはなし(1)〜ピンセット〜

ボクが紙工作をするときに使う道具のひとつに「ピンセット」があります。
細い筒をくるっと丸めるような作業に使ったり、指が入らない部分を押さえたり。
いつも使っているのは、BONNYというメーカーのいわゆる
つる首タイプのトゥイーザー
というモノ。1,155円 参考:「ニュートゥイーザー」@楽天 

(たぶん.Too/旧いづみやのニュートゥイーザーと同じものだと思う。ニュートゥイーザースペシャルってのも使ってみたいぞ。)

Bonny_pin_3

手にしっくりと馴染んでツル首の曲がり具合も良い感じです。(実はこのつる首の曲がり具合にもいろいろあって、つくりが合わないと作業していて違和感を感じてしまうのです。)
ただ、先端がすこし尖っているので小さな子には扱いに気をつけた方がいいかも。165mm。


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最近使い始めたのがTAMIYA(いわずと知れた模型メーカーのタミヤ)のクラフトツールシリーズ No.80
クラフトピンセット Item No:74080 1,365円

Tamiya_pin

何がスゴイってこのツール、ペーパークラフト用に開発されたんですってよ!
幅広の先端部分は紙を面ではさんで接着させるのにグー
背の直線部分は紙の折り曲げに重宝します。
仕上げはさすがのタミヤクオリティ。持ち手に優しい感じです。142mm。


クラフツツール No.80 クラフトピンセットクラフツツール No.80
クラフトピンセット

タミヤ 2008-06-06

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普段のボクは上のピンセットを主に使っているのですが、どれも大きな画材屋さんや文房具屋さん、模型屋さんなどでしか扱いのない商品なので、「ちょっと始めてみよっかなー」という紙工作入門の方には入手しにくいものでした。最近ではインターネット通販もありますが、実物手に取って見られないし送料を考えると....。うーむ。
そう思っていた矢先、いいのを発見しちゃいましたよ!

ダイソー ザ・ピンセット 曲型 紙絵工作用
B-001 ピンセット No.2 驚きの105円!!

Daiso_pin

材質はステンレス製で日本製、ちょっと小さめサイズの125mmですが女性やお子さんにはこっちの方が使いやすいかも。先端がまるく平らにつぶれているので紙を挟みやすいし。でもって全国のダイソーで買えるんですよ、105円で!
仕上げは値段相応(ちょいと華奢だったり端面にザラつきがあったり)ですが、1000番くらいの紙ヤスリでちょっとヤスったら驚くほど使い心地よくなりましたよ。噛み合わせのバラつきもあんまりなさそうだし、この価格でこれはいいものだ。(マ・クベ風)
このピンセットシリーズ、まっすぐタイプのものや先端ギザギザタイプのものなど、何種類かあるので選ぶときには間違わないよう注意して下さいね

あれば便利なんだろうけど、そこまで必要かな〜と思っていた方も、お試しで使ってみてください。長さも手頃なので、ペンケースや道具入れにもおさまりが良いのも◎です。


ボクが使っているモノのほかに、おすすめの道具などありましたらご紹介くださーい。

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2008年11月13日 (木)

ボンド Paper Kirei

Paperkirei

8月にコニシから新発売となりましたこの商品「Paper Kirei ペーパーキレイ」は、おもにパンチアートやラッピング用に開発された紙用のりです。
実はだいぶ前に商品サンプルを送っていただいていたのですが、「しばらく使ってみてからじゃないと使用感のレポートできないしねっ。」と自分に言い訳してたら11月に。
女性的なやわらかいパッケージデザインとそのカタチ・大きさから、上野動物園で実演のときに使っていたら職員の方からハンドクリームと間違われました(笑)。

適度な粘度があってとても使いやすいボンドです。細口ノズルなので、のりしろ直塗り派には特にいいかも。また、パンチアートに〜という売り文句のとおり、スポット付けが得意なので小さなのりしろを貼り合わせるのにも向いています。紙を点や線(端面)で付けたいときに重宝しますよ♡
乾いたときの透明度も高く、固まったときにカチカチにならず弾力があります。

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