道具のはなし(7)〜鉄筆〜
まず、鉄筆(てっぴつ)って何?
って感じですよね、今どき。
漢字で「鉄筆」と活字で記すと書体や字の大きさによってはつぶれてしまい、あまりにも読み馴染みがないので「鉛筆(えんぴつ)」と読み間違われることもしばしば。
ペーパークラフト・紙工作業界(ごとう調べ)では、折り線に沿って折りスジを入れるための道具。
柄のついたニードルの先端が良い感じにまるめられたもの。インクの出なくなったボールペンなどを指します。
折りスジを入れるのと入れないのとでは、仕上がりにダンゼン差がでます。
ボクは山折り線も谷折り線も印刷面に鉄筆を当てちゃいますが、がっつり仕上がりにこだわる方は山折り線には裏面に折りスジを入れています。(S崎さんやM武さんはがっつり派)
まずボクが愛用している
VANCO 鉄筆 No.100
鉄筆界の元祖。今のところこれに勝る使い心地の鉄筆に出会っていません。
しかしながら現在こちらは廃盤になってしまったようです。残念。シリーズにNo.50
というのもあるのですが、ちょっと細いかな。印刷面をキズつけてしまいそう。
形状はまさにインクの出ないボールペン。
使い心地も悪くありません。次世代スタンダードの予感。
ボクは白いのを持ってます。
手芸用品を幅広く展開しているクロバーの製品なので、末永く販売し続けてくれることを祈ります。
VANCOの鉄筆が入手できなくなった時に代用としたのがこれです。もとはインレタ(インスタントレタリング)やスクリーン転写用の道具。金属ボール部分をヤスリで削って具合を整えて使用しました。反対側のヘラ部分も紙のくせづけに使えます。ただインレタ転写用ってところに一抹の不安が...。と思っていたところ、テレビでマンガ家さんの仕事場特集をやっていて、スクリーントーンがバリバリの現役で使われていたのを目撃。衝撃受けました。まだまだいけるな。
「鉄筆」のほかにも、「トレーサー」や「スタイラス」などで検索すると使えそうな道具があります。使いやすいものをみつけてみたり、加工・自作してみるのもいいですね。
ボクが小学生のころはコピー機がまだ今ほど普及しておらず、(って書くと時代を感じるなー、年とったなオレ。)小・中学校からのプリント配布物は藁半紙にガリ版刷りというのが一般的でした。そのガリ版刷りに用いられた道具が「鉄筆」なのです。しかしながら、大人になってからその存在を紙工作用で知ったボクは鉄筆を本来の用途に使ったことがありません...。あしからず。
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